[10]  さわこ
07/14 23:20
第七回妄想

夜9時過ぎに省吾くんのマンションを出た私は駅までの間、電話をかけました。

夫は既に家に帰っていると思ってましたのでマンションを出てすぐに自宅に電話をしました。

夫は電話に出ません。

暦の上では春ですが少し冷え込む3月中旬の夜、二度目の訪問を終えた私は二つの意味で寒気を感じながら駅に急ぎ足で向かっています。

一件のメールが入っていました。
甥の優斗からでした。

W叔父さん今日居ないの?釣りチューブ一緒に観るって約束してたんだけどなぁ。家にいないよ?また今度来るって言っといて?”

まさか…すぐに夫の携帯にかけ直しましたが留守番電話になっています。

「どうしたんだろう…家も携帯も出ないし…何かあったのかしら…今日は何もないって言ってたのに…」

思わず独り言が口から出てしまいます。

普段から携帯に出ない夫ではありません。
ましてこんな時間に…

( とにかく帰らなきゃ… )

駅で電車に飛び乗り電話を握りめていました。夫に何かあったのではないかと気が気ではありません。

( こんなことなら…来なければ良かった…私が来なければ… )

毅然とした態度で省吾くんからのお誘いを断り突き放していれば…何も起こらなかったはずなのに

電車の中で今日の出来事が走馬灯のように頭を巡る中、後悔にも似た想いが頭を駆け巡っていました。



その日の夕方、省吾くんのマンションに二度目の訪問をしました。
私は以前と同じように訪問して早速キッチンに立ちます。

省吾くんの部屋は相変わらずで若い男性らしさは元のままです。

“でも食生活に目を向けてくれただけでも進歩よね。”

そう考えながら料理にかかっていました。
今回は健太くんと二人でキッチンに立って食事を作っています…が…

「ああっ、だめよ。それは先に煮込まないと」

「ちがう、ちがう、いいわ それは私がするから」

私の指示が飛びます。
娘と息子に家事を教えていた頃のことが頭を過ぎります。
省吾くんは自分で何とかしようとしているのは良いのですが私はとても見ていられません。

「もぅっ、ダメだよ、それは。」

そんな言葉が飛び交っていました。

その後は前と同じような光景です。
結局私が作ることになってしまったのですが、前回よりは健太くんも役に立ってくれました。

そのあとはまた二人で食事をしながら談笑です。楽しくお話していました。楽しくて以前のことをすっかり忘れて…またもやワインを傾けていました。

「省吾くんもやればできるじゃない、私 見直したわ」

「そうですか、でも全然ですよね。里美さんがいないと悲惨な料理になってとても食べられたものじゃないですよ」

「いいの、いいの、食事に気をつけようと思うだけでも全然違うから」

私は省吾くんを褒めながら食生活を気にするように勧めました。
褒められて省吾くんもすごくうれしそうな顔をして笑っていました。

「里美さん、肩がこるんですか?」

私は知らず知らずのうちに時々肩の辺りを触って揉んでいました。ワインを飲みながらなので血行が良くなったせいか肩の凝りが気になっていてついつい肩を触っていたのでした。それを見た省吾くんが声をかけたのです。

「うん、私 結構若い頃から肩がこるタイプなのよね」

すると省吾くんはちょっと深呼吸して言いました。

「そうなんですか、もし…よかったら僕が揉んであげましょうか?」

油断してしまっていました…ワインでほろ酔いの私は

「ほんとに?じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

と…

省吾くんは私の後ろにまわり、肩に手をおいてゆっくりと揉み始めました。
この時、省吾くんが私に初めて触れた瞬間でした。

私も最初は意識しました。若い男性に肩を揉んでもらうなんてことありません。少し恥ずかしかったのですがじわじわと心地よくなってきてワインも手伝ってか、顔が火照ってくるのがわかり俯向き加減で目を閉じて省吾くんのマッサージに身を任せていたのでした。

大きな手でゆっくりと肩を揉みほぐした後、省吾くんは左手を私の左肩において支えると、右手で首の下から背骨へとゆっくりと指を立てて指圧するように摩っていきました。
俯向き加減だった私は身体を反りかえらせてしまい顔を斜め上に向けて目を閉じたまま思わず声をあげてしまいました。

「ああっ…ああっ…気持ちいいっ………すごく…いいっ…」

省吾くんの右手は、背骨を摩りながらだんだん下がっていき腰骨のあたりまできました。私の身体はますます反り返り、省吾くんの左手に身を任せてしまいその手にもたれ掛かるようになるっていました。

省吾くんの右手は腰のあたりまでくると、さらにゆっくりと円を描きながら骨盤を刺激するように動きました。

「ああっ…ああっ…ああっ」

私は声が抑えられませんでした。と言うより“声が出てしまっている”事に気づいていません。
それに知らない人じゃない、息子のように憎からず思っている男の子の大きな手に支えられてのマッサージ、、、そして普段、マッサージなんてすることがなく夫にも頼んだ事もありません。そのため、その心地よさのせいでいろんなことを忘れそうになっていました。
私は省吾くんの右手の動きに合わせるように反り返ってしまっています。それはまるで愛撫に喘いでいるかのようにも見え、声も漏れ続けます。
省吾くんは懸命にマッサージをしてくれているのに、、、私はマッサージの心地よさとは違うものが体の奥から湧き上がってくるのを感じていました。

( だめ…だめ… )

省吾くんは私の腰辺りから下の下半身を刺激し続けました。
正座していた脚もいつしか横座りになり私は太腿をぎゅっと閉じていました。

省吾くんの右手はしばらく腰のあたりを集中的に揉み解して刺激した後、徐々に下がっていきお尻のすぐ上まできました。

( そんな…そんなところも…だめ…そこから下は…… )

省吾くんとの最初の約束は“肩を揉む”だったはずなのに…

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