[188]  めぐみ
08/17 20:16
梅雨の最中の、体に纏わり付くような空気に苛付きながらも、
午前中の仕事を片付け、オフィスに戻り、事務処理を終えた私は、
午後からのビジネスのパートナー、イザベラの到着をオフィスでを待っていた。

彼女は、ポーランド出身で、幼い頃スウェーデンに移住し、日本語を学んだ才女である。
日本にビジネスで来日して、6ヶ月とは思えない程、日本の環境に適応している。
その美しい容姿は、まさに妖精のようですらある。ビジネスパートナーには、勿体無い話である。
何かと苛付く季節ではあるが、彼女と取引先までのドライブは、
そんな苛立ちすら忘れさせてくれる。

デスクの上の携帯電話が鳴った。忙しない着信音を嫌う私は、
野鳥の鳴き声を着信音にしてある。ジョウビタキの囀り声である。
着信はイザベラからだった。
画面を見つめながら通話ボタンを押す『はい、私だが』

『ってか、タクシーの運ちゃんがさぁ、道間違いやがってさぁ、遅れてんだけど、まだ余裕っしょ〜?』
『しかもさぁ、今日、徹子の部屋、録画予約忘れて、超最悪じゃん?今日、みうらじゅんなのにさぁ』

だ、そうだ。

んなワケも無く

けんさん、察してくださいね。って、お願いしてるの。わかる?
お願いしますよ。

イイネ!(1) PC di5kUB9O
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