[2]
さわこ
06/19 01:58
第一回
数年前の年末のことです。私の自動車が故障してしまい、夫に相談したら思い切って新車に買い替えようということになりました。
私は独身の頃からずっと利用していた自動車屋さんがあったのですが、昨年に廃業してしまい、結局、夫が以前から懇意にしていたディーラーで購入することになりました。
年が明けてから夫に店長に電話してもらうと、すぐに営業担当がバンフレットを持って自宅まで来てくれました。
夫は、店で何度か顔を見たことのある伊藤省吾くんという若い子だと言っていました。
省吾君は数台の軽自動車の特長などを丁寧に夫と私に説明してくれました。
私は当時は48歳、学生の時はそれなりに車も好きでしたが今は車に興味があるわけでもなく、どれでもいいと思っていたのですが、省吾くんの提案でせっかく新車を買うのだから試乗してから決めようということになり、夫の勧めもあり、翌日パートが休みだった私は早速試乗させてもらいました。
省吾くんに2台試乗させてもらい、そのうちの1台に決めました。
夫の言うには「自慢ではないけど高級車1台くらいはキャッシュで払える余裕はあった。」と言っていたのですがどれを選ぶかは「君に任せる。」と私に一任してくれていました。
私は夕食の時に夫に購入の契約をしたことを話しました。
「契約しちゃったけどいいでしょ?150万と少しかな」
「お前がそれでいいならいいじゃないか。新車なんだから大事にしろよ」
何気無い日常会話でした。
私はついでに営業担当の省吾くんのことを話しました。
「あの営業の省吾くんっていう子、おもしろい子ね。一緒に試乗してもらったけど、おもしろいことばかり言うから笑っちゃうのよ」
「へーっ、そうなのか、意外だな。
俺は面識はあったけど、挨拶ぐらいしかしなかったからな」
「やっぱり営業だから口がうまいのよね。
携帯番号とメールアドレス教えてあげたの。またメールで爆笑を誘いますよ…なんて言うから」
私も何の気無しに話していましたし何も思っていません。夫も何も感じていないようでした。
イイネ!(2)
iPhone
JLEalB6c
[編集] [削除]
親スレッド
管理