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あい
07/07 06:49
【 ついてる奥さん 】(1)
『奥さん今日は何買ってく〜?
この大根なんか奥さんの太股みたいに真っ白でムチムチ、
この艶っぽくてみずみずしいとこなんかそっくりだよ』
「もぉ〜どうせ私の脚は大根みたいに太いですよぉ〜だ」
この威勢のいいおじさんのいる八百屋さんで、白菜、大根、長ねぎに椎茸を買った。
『奥さんいつも色っぽいから、隣の親父にからかわれるだよ。
まったくイヤらしい親父だよね〜』
すぐ隣の魚屋さんのおばさんは大柄な体で八百屋さんに負けない威勢の良さなの。
「真鱈の切り身と白子くださいな。」
『今日は鱈ちりだね〜、寒くなったしいいよね。
お鍋と熱燗かなぁ、、
アツアツの2人には ”ひや ”の方がいいかな、あはは、、』
「もぉ、、おばさんもからかうんだからぁ〜」
ここの市場は家から近くいから晩のお買物はいつもここ。
カレと何度も来たこともあってここのお店の人達は、
親しく奥さんって呼んでくれるるからとっても嬉しいの。
本当の女性にはない”オチンチン”のついてる私なのに。
ホステスとして勤めていた女装スナックにカレが来たのがきっかけでした。
見つめられながら、可愛い、色っぽくて好きだぁって、
言われたこちらが気恥ずかしくなるくらいいっぱい褒められて、
お世辞って分かってても嬉しくなっちゃう。
ちょっとぽっちゃりとした大柄な体躯で笑顔いっぱいに話ししかけてくるカレを、
私はすぐに気に入りました。
スナックでいっぱい飲んで歌って騒ぎ、そしてアフターにも。
知り合ったその日だったのに、朝まで一緒に過ごしてしまいました。
一緒に過ごしたのはカレの2LDKのマンション。
カレはバツイチ(ノンケの女性とね)で3年前に別れ、
前の奥さんが出て行った部屋にそのまま住んでいました。
私も身の回りのこと、半年まえに昼の仕事をクビになったことや、
この姿で勤められる先がなかなかなくて苦労してることをを話しました。
そうしたら、「それならここに一緒に住む?」って聞かれ、
女として男の人と一緒に住んだことなんて全くなかったんだけど、
すぐ、「うん 」って答えちゃった。
カレは大手製薬会社の課長さんで生活にはかなり余裕があって、
私一人くらいの面倒みるの大丈夫だそうなんです。
それに初めて泊った次の朝、明るくなった部屋を見渡したらびっくりなの。
前の奥さんと別れてからは家の中は散らかり放題みたい。
ていのいいお手伝いさん兼、、、かな?
でもいいの、カレの私を真っ直ぐに見てくれる瞳と暖かな雰囲気、
そしてエッチが私にぴったりな気がなんとなくするし。
そうしてその日からカレの家に移る準備を始めました。
ほとんど物置って感じになっていた一部屋をカレと一緒に片付け、
私の荷物を持ってこれるスペースを作りました。
そのあとホームセンターに一緒に行って服を掛けるラックや収納ケース、
食器とか細々した小物をいろいろ買いました。
こんなふうに家庭用品を一緒に買うなんて新婚夫婦みたいだと思えちゃった。
片付けに時間がかかったので仕方なくコンビニのお弁当で晩ご飯にしました。
でも2人で食べると美味しく感じるの。
そして昨夜以上にお互いを求め合いました。
次の日、カレがお仕事に出かけると私は前に住んでたアパートに戻り、
男性ものの服やアイになるまでに使っていた雑貨類をすべて処分しました。
昼のお仕事をクビになってからはフルタイムでアイとして生きてきたけど、
アイになる以前の荷物もまだいっぱい残ってた。
それをカレとの出逢いをきっかけに全て捨てることができたんです。
この先のことに不安が無いわけじゃないけど、、
こんなきっかけを作ってくれたカレに感謝です。
カレがどこまでの気持ちで一緒に暮らそうって言ってくれたのか分からないけど、
まだ出会ってから2日しか一緒じゃないけど、カレのことがたまらなく好きになってる。
夕方、カレが仕事から戻ると前のアパートから私の荷物、
といってもそんなにない服と小物しかないけど、を車で運んでもらいました。
片付けを終えるといきなりカレは私を抱きしめて熱くキスをしました。
そして、、
『いきなりこんなこと、
出逢ってすぐこんなことするなんて変と思われちゃうけど』
そう言ってスーツのポケットから小さな箱を取り出しました。
え、、これ、これって、、
『夫婦として一緒になりたい、これからの人生を一緒に過ごそう』
涙が溢れてきた。
こんな私が、こんなこと言ってもらえていいのかと、、
「私、、戸籍はもちろん、身体だって、、、」
また、ぎゅっと抱きしめられた。
『俺は今のままのアイが大好きなんだ。
アイのすべてを愛してる。
俺の奥さんになって欲しい 』
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つづく
イイネ!(3) PC 8A8Np6di
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