[2726]  仁美
11/07 22:02
続きです…♪


5人は最初のうちは合同で新人研修を受け、その後各部署へ配属された。
仁美が配属されたのは商品開発部。
新しい商品を開発する、花形部署だ。
女子社員は仁美だけ。
そんな環境に最初のうちはとてもガッカリし、男だらけの職場に不安な気持ちいっぱいであったが、意外にも男達は優しかった。
「何か分からないことは無いか?」
「何でも聞いてや」
「仁美ちゃん、このランジェリーどう思う?」
仁美の下半身を見て、「寒くないか?」
そんな声をかけてもらった時は思わず笑ってしまったが…
身体に触れられることはなかった。
内心ホッとする一方、
おかしいな…
そんなこと、ある…?
疑心暗鬼な気持ちを抱きながら、3週間が過ぎたある日のことだった。

「仁美ちゃん、ちょっと倉庫にあるサンプルを取って来てくれへん?」
そう声をかけたのは次長の内山だった。
「はい、分かりました」
仁美は立ち上がり、サンプルのリストを受け取り、倉庫へ向かう…
すると、その様子を見ていた主任の大橋が後を追う…

指示されたサンプルは30数枚。
ズラリと並ぶサンプルの中から探すのは一苦労だ。
仁美が倉庫でサンプル探しに夢中になっていると、突然背後から
「俺も手伝うわ」
いきなり大橋が声をかけた。
「キャッ!!」
全く気配を感じていなかった仁美はいきなり背後から声をかけられ、飛び上がって驚きの声を上げた。
「あ… お、大橋主任…?」
「あ、ゴメンゴメン、びっくりした?」
「あ〜 びっくりした…
すいません、叫んだりして…」
仁美は恐縮しながら謝った。
「いやいや、ゴメンな。びっくりさせて…
サンプル、多いやろ?
手伝うわ」
「あ、いや、そんな…
大丈夫ですよ」
「ええからええから。さ、次は何番?」
「あ、すみません…
あの、○○○○番です」
こうして一緒に探す二人…

仁美は緊張した。
大橋という男、30後半の既婚者で正直、あまり仕事は出来るタイプには見えない…
オフィスでもがさつでだらしなく、大橋から回ってくる書類は不備が多い。
営業で使い物にならず、あらゆる部署をたらい回しにされて花形部署の商品開発部に来たのだとか。

何故大橋みたいな奴が…?社内でそんな声もあったようだが、意外に開発の面では才能を発揮したらしい。
斬新なアイデアでヒット商品を開発し、業績に貢献したというが、仁美にはちょっと信じがたい…
その実績が大橋を傲慢にし、その不遜な態度が目に余り、みんなからは当然嫌われている。
仁美もそんな大橋にいい感情はなく、ニタニタとスケベな目で見られ、話しかけられると変に緊張し、ソワソワとしてしまうのだった。

「アイツ、スケベの塊やから自分の好きそうなパンティー作ったら、たまたま当たっただけやろ」
同僚のそんな陰口を聞いた時は妙に納得したものだった…

そんな大橋が側にいる。
倉庫に、二人きりで…
仁美は緊張すると同時に、急に不安な気持ちに襲われるのであった…


続く💜


イイネ!(5) K pcR7bEbU
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