[650]
仁美
04/04 21:23
ラストです…♪
No.256[大阪城公園〜 「惚れてもうたわ…」J]
…「惚れてもうたわ」
そう言われた私はもうさすがに、作り笑いは出来ませんでした。
今となれば、その「惚れてもうたわ」がどの程度のものなのか、量ることが出来たかもしれません。
「また〜 冗談言っちゃって〜」
とか、
「あら、じゃあ私と付き合う?」
とか、
いろんな聞き方で相手の真意を量り、冗談でかわしたりして…
でも当時の私には、そんな余裕はありません。
その言葉を真に受けて、
どうしよう…
私、どうしたらいいのかしら…?
そんな葛藤の中にいました。
するとオジさん、さすがに私の困惑した様子に気づいたのでしょう。
「あ、いや、ゴメンな、変なこと言うて💦 気にせんといてや」
慌ててそう言いました。
「そんなん言われても困るわな、ごめんごめん💦」
私はちょっとはにかみ笑いを返します。
「…あ、いえ、全然… 大丈夫ですよ」
…またいつものオジさんの表情に戻りました。
照れ笑いしながら、
「いやあ、しかし自分はホンマに女より女らしいわ。清純に見えんねんけど、独特の色気と雰囲気ある。男は皆惚れてまうで〜」
そう言いながら、私の膝をポンポンと軽く叩いて、立ち上がりました。
「また会うてな?」
オジさん、真面目な表情でそう言いました。
私はニッコリ笑い、
「ハイ、もちろんです」
そう答えました。
いいわよね…?
そう自分に聞きながら…
あ、ただ…
「私、来週から大学の試験なんです。だから来週とその次の週は無理なんです」
「それと、夏は暑すぎるから女装はしないんです。蚊🦟にも刺されちゃうから…」
なんか言い訳に聞こえちゃったかな?(^^;
私は慌てて言いました。
「だから9月の半ばくらいからかな?
また来れるのは…」
オジさん、ちょっと残念そうな表情に見えましたが…
「あ、そうか。分かった。勉強頑張りや」
笑いながら、そう言ってくれました。
「じゃ、またな」
「ハイ、ありがとうございました♪」
私は笑顔でお礼を伝え、その場を後にしました…
…ホッ…
良かった、オジさん、最後はまたいつもの感じだった…
でも…
やっぱり、ちょっと私に恋愛感情みたいなものを持ち始めてるのかな?
だったら…
困ったな。
オジさんに申し訳ないかも…
もう会わない方がいいの?
なんて、モヤモヤした感情が残りました(^^;
でも結局…
そんな心配は杞憂に終わりました。
その後、そのオジさんに出会うことはなかったのです。
私はその日の後、シーズンオフに入り、しばらく女装しませんでした。
再開したのは9月半ばくらいだったと思います。
いつもの約束の曜日、時間帯に約束の場所へ行ってみたのですが、オジさんに出会うことはありませんでした…
理由は分かりません。
ひょっとしたら、私のあの日の反応、様子を見て、さらに大学の試験とか、夏は女装しないだとか、言い訳がましい理由を私が言ったので、嫌われたと思ったのか…
自重されたのかもしれません。
私は残念な気持ちと、でも、これで良かったのかも、なんて気持ちも…
思い出深いオジさんとの体験談でした。
イイネ!(5) SHV48 pcR7bEbU
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