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宮崎留美子
01/12 23:36
【留美子の海外旅行シリーズ 3】
今回は、まじめな話です。
ここは、ポーランドのなかにあるオフィシエンチムというところの戦跡の博物館。といってもピンとこないかもしれません。オフィシエンチムというのはポーランドでの地名で、一般的には「アウシュビッツ」として知られているところで、アウシュビッツ博物館です。世界遺産に登録されています。
1枚目の写真は、収容されたユダヤ人が、この区画で寝起きしていたというところ。1区画に1人ではないんですよ。1区画に何人もの人が寝かされていたのです。
2枚目の写真は、「死の壁」といわれるところで、私が立っているあたりにたたされて、そこで銃殺された場所とのことでした。
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さて、このアウシュビッツは、ドイツの隣国のポーランドにあります。このアウシュビッツに高校生らしき見学者の一団をみかけました。聞いてみると、ドイツの高校生で、日本でいう平和学習の一環としてここを訪れるとのことでした。ドイツが行った加害行為をしっかりと学ぶ、そういう学習がなされているようでした。
ひるがえって日本。高校生が、修学旅行で、広島や沖縄などには平和学習として訪れるところは多くあります。でも、たとえば、中国や韓国に、日本がやった加害行為の歴史学習として、日本の高校生が行くところはほとんどないと思います。
今、日本と韓国といろいろとギクシャクしています。韓国で日本排斥のデモがあったりする様子が報道もされます。そして、こういう報道などをうけて、日本人で韓国を罵倒するような言論を平気で言う人もいます。
戦前、韓国に対して、日本がどういうことをやったのか。それを、高校生が現地を訪れしっかりと学ばせる。私たち日本の国が過去に行った加害の歴史をしっかりと学ばせる。そういうことを、日本が戦後行っていたとしたら、韓国の人たちの日本に対する感情はぜんぜんちがっていたと思っています。
ポーランドで、ドイツに対して排斥の運動はありません。ドイツとポーランドは友好な善隣関係を築いているようです。そして、EUのなかでもドイツは信頼を勝ち得ています。
日本が隣国に対して行った過ちを、しっかりと後世の人に伝えていく教育をやること。これはとても大切だと思っています。政府が韓国に対して謝罪の意の表明をしたということは、それは全くいいことです。だけど、それを打ち消すかのごとく、国会議員が別のことを言ったりすると、たぶん不信感はつのります。
韓国国民にも、変な日本人ばかりではないのだから、もっと冷静な対応をしてもらいたいとの気持ちはありますが、そのことを、加害国の人がいうのはお門違いでしょう。まずは、加害の歴史をしっかりと後世に伝えているということを行うことだと思います。
加害の歴史を学ぶということは「自虐史観」などと揶揄されることではないです。人は何も過ちをしないということはなかなかないです。なので、過ちを過ちとしてしっかりと認めていくということが、その人が尊敬される一歩だと思っています。
戦後、韓国も、他の国の国民に対して、いろいろと負の問題を持っているように聞いています。ですから、韓国自身も、自国に過ちがあればしっかりと検証して後世に伝えていくべきでしょう。
でもそのことを、私たちが言うのは変です。泥棒が「あなたたちも泥棒しているではないか」ということにもなりかねません。韓国の問題は韓国人がしっかりと検証していってもらいたいことです。私は日本人ですから、日本の問題を自ら検証し、問題があれば、国家として謝罪するようなあり方にしていく。そういうつとめと果たすべきだと思っています。
イイネ!(8) PC
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