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くまさん🐻
01/16 14:01
「甘く危険な香織」シリーズ
@夜明けのトワイライト湾岸線 ”疾走の黒い淑女”
その三
女家庭教師の香織が担当したその娘の名前は、伊東亜弥といった、中学3年生であるが、親が親だけにまともに見えなかった、辛うじて「ちわ」と、か細い声で挨拶した。
ウエーブのかかった茶髪のロングヘアーはピンクのミニドレスと相まって、とても中学生の服装とは思えず、出勤前のキャバ嬢の体に思われた。
しかし、香織はこんな娘の扱いは慣れていた。
「あら、綺麗な髪してるのね、これならおじさまたちはイチコロね」
「じじいなんか興味ねぇの、そんなに髪型老けてるかなぁ」
誉めてけなして、一発である。
そもそも、家庭教師で潜り込むのも仕込みの結果である、亜弥の仲のいい異性の同級生を見つけるのも
簡単なら、その男の子を籠絡するなど、香織にしてみれば赤子の手をひねるようなものだった。
「あら、おねえさんのふとももが見たいの?甘えん坊なのね、いいわ見せてあげる、その替わり
おねえさんの頼みも聞いてね。」
まだ経験の少ない中学生に焦らし、そして濃厚なキスを浴びせれば、彼の体がすぐ熱を持ってくるのが感じられた。 中学生にとって香織が人生のすべてになっていた。
普通の成人男性なら、清楚な女性だと思ってたのにいきなりセクシーな行動にでるなど、不審に思う
だろうが、相手次第で押したり引いたり、案外と香織も楽しみながら誘っていた感がある。
秘密兵器のフェロモン香水で、ウブな中学生男子はあえなく香織のロボットとなった。
その仲のいい男子のすすめで亜弥も香織を紹介してもらったのだ。センターの紹介などありはしない。
おせじにも頭がいいと云えない両親は、金儲けこそが人生だった、そのためにもこれからは勉学が必要と説き、
亜弥の家庭教師を両親に了解させ、香織の本格的作戦がスタートした。
実に簡単だった、中学レベルの試験問題などは毎年変わることがない、試験問題を前もって手配するなど、
”日の出ボス”に頼めば翌日にも用意してくれた。
この中学生の記憶の悪さに辟易しながらも、なんとかテストの答えを前もって覚えさせると、
男の子と亜弥の二人は驚くほどの結果をみせ、学校側も両親も、何といっても本人たちが信じられない
といった感じだった。
あまり誉められたことのない人間にとって、これは晴天の霹靂であったろう。
こうした方法で当人たちはもちろん、亜弥の両親も香織に信頼を置くようになった。
と同時に亜弥の父親である市会議員先生・ターゲットの香織を見る目が変化してきたのを感じていた。
朝焼けに染まったレインボーブリッジを過ぎると、いよいよ空は明るく白くなり、彼方の地平線に太陽が昇り始めると、徐々に車の数も増えてきた。と同時に流れも速くなる。
と、バックミラーに勢いよく近づいてくる一台の派手な黄色い車があった。 ポルシェだった。
イイネ!(11) PC ZefMWATJ
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