[811]  香織
01/17 17:57
“湾岸トワイライト・セレナーデ”その@

今日は会社でムシャクシャ”したことが
あった…そんな時は“車”ではなく“バイク”が良い。あたしの“愛馬”はCBR400 R AERO。マイナーなマシンだが、ポテンシャルはCBR400 RRと殆ど変わらない。新型の二つ目のトリコロール・カラーがどうしても好きになれず、ショップで交渉して“型遅れ”のこの子を安く譲って貰った。(水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブのエンジンは、最高出力59psを12,500回転で搾り出す。)

※補足=1980年中盤に登場したCBR400Rは、ホンダが400ccクラスで初めてエアロダイナミックスを最重要視して開発したスポーツバイクでした。CBRシリーズに初めてカムギアトレーンやアルミ製ツインチューブフレームが採用され、ライダーとバイクの一体感を追求した近未来フォルムが当時としては斬新で、後に登場するスポーツバイクに大きな影響を与えていた。

あたしは直ぐに“イジリタガール”なので、新車の内に“DAISHINのアルミ・サイレンサーのマフラー”と”トマゼリーのクリップ・オンにバックステップ”(バック・オーライ?)とメイン・ジェットを1番上げてあった。あたしはアパートに帰るとすぐさま堅苦しいオフィス・スーツを脱ぎ、黒いキャミソールとストッキング姿になり、衣装ケースからKUSHITANIの皮ツナギを出した。チャックを下まで下げ、左右の腕のチャックを開けた。左足からスーツに身体を滑らせる。“ツルっ”としたこの感触が堪ら無く好きだった。少し胸がキツイ…

 用意が出来ると”ヘルメットとグローブ”それと、赤い牛側製のウエストポーチを持ち、ドアの鍵を開け、アパートから出る。2階の階段からゆっくりブーツの音は忍ばせて階下に下りるて、バイクのシートと、盗難防止用のU字型のロックを外し、メットとグローブをカウルに収め、そのまま少し路地まで押して、江戸川の土手沿いの道に出た。(夜だし、アパートの住人に悪いから)バイクに跨りサイドスタンドを立てると、メインスイッチを”ON”にした。

アクセルに右手を掛け、グリップ下の黄色い”スタート”ボタンを親指で押す。“プオンッ!”思ったより軽い、そして高音な咆哮をアルミのサイレンサーが奏で、夜の闇に響き渡る。『良かった!バッテリー上がってなくて。』あたしは左タンクの股下にある、チョークレバーを弄り、エンジン音を聞きながら回転を少し上げた。“ブルッ、プワッ、プワォンッ!』アクセルを僅かに開けながら、回転が安定する領域でチョークを固定する。ヘルメットを被り、グローブを装着すると間もなく回転が上がってくる。あたしはチョークを元の位置に戻した。

イイネ!(23) PC
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