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くまさん🐻
01/23 19:00
「甘く危険な香織」シリーズ
@夜明けのトワイライト湾岸線 ”疾走の黒い淑女”
第六 前編・・・・(スマソ)
とおく東の海の波間もキラキラとかえす冬の日差しは、54階のホテルの窓にもふりそそぎ、
あおむけに寝かされた香織の体を白くうかび上がらせて美しい。
紅樺色(べにかばいろ)の胸のふたつの愛らしいつぼみをボスが指でいたずらする、さらに唇をつけ、ゆっくりと右に左にゆらす、その揺籃はおだやかな波にうかぶ小舟のようで、さらに快楽の底へと導いていく。
香織は無意識にからだをそらしてあえぎ声を出した。
愛撫のせいか、照らし出す朝日のせいか、そらしたからだが赤みがかってきた。
その時、山下達郎の歌が日の出ボスの携帯に着信を知らせてきた。
おもむろにベッドの上に座りなおしたボスは、なにごともないような雰囲気で相手と話し出した。
ふんふんと軽い返事をするボスの股間には、赤黒くそそり立つものがあった。
まるで甘える子猫のような姿勢で香織がそれを口にふくんだ、熱かった、柔らかいが熱かった。
了解しました、お疲れさまです・・そう言って携帯を下ろすと、香織にテレビのリモコンを取るよう頼んだ。
口にふくんだものを離し、サイドテーブルからリモコンを渡すと、再び口でもてあそび出した。
テレビの液晶画面にニュースが流れはじめた、どうやらこのことを連絡してきたのだろう。
舌でボスのものを隅々まで確認するように舐めながら、香織もテレビの方にちらちらと視線をうつした。
そこに映し出されたものは、千葉警察署から身柄を送検される車の中で、報道カメラのおびただしいフラッシュを浴びながら後部座席の真ん中にすわる女が白い歯をみせ笑っていた。
車を囲む報道陣を見回すと、ぶつぶつとつぶやいて上目遣いでまたニヤリと笑う。伊東富美子とテロップが出た。
逮捕された他の容疑者たちが顔を隠す中、彼女の堂々とした態度と不気味な笑みは異様だった。
女房だな、狂ってるのか、ボスがつぶやく。
あのちんちくりんの久造の妻である、そしてキャバ嬢のような亜弥の母親でもある。
そして、それ以上に新興宗教教団の幹部だった。
北海道倶知安の土地をめぐって、伊東富美子が幹部を勤めるその教団をだました50億の詐欺事件。
伊東久造とその家に寝泊まりする20数人の前科者たちも同じく逮捕されていた。
50億とはふっかけたもんだ、教団も掛かったホコリをはらっただけだろうが。
そういいながら、あぐらをかいた股間に香織の頭を軽くおさえて咳き込ませていた。
倶知安の土地を所有していると聞いたのは、夏の暑さがピークを過ぎてひぐらしが鳴いているころだった。
今、ビルを抜ける風の中にも一筋の冷たさを感じる季節になっていた。
時間はかかったが、完璧だと久造は思っていた。
今、かの土地に第三種空港の建設計画があるのをかぎつけた。
ちかくのニセコスキー場を買収した中国側からの強い圧力の結果だという。
久造は動いた、国土交通省にコネを頼って調べ、北海道の暴力団の組から裏情報も集めた。
そして、倶知安町町議会の空港建設に関する議会記録、国土交通省の図面と第三種空港許可と補助金申請の書類、必要なら金を出すという中国企業の投資約定の書類、さらに、香織が所有している土地の謄本コピー。
なんといっても肝心の土地所有者が久造の手の中にいるのである、ただ、所有者は兄とふたりの名義になっていた。
そんなことはどうでもよかった、これだけ揃えばどこからでも金を引っ張ってこれる、それで充分だった。
そのお金も、すでに配下の連中を使って北海道のいくつかの組から数億の金を約束させていた。
利益折半で儲けは減るが、証拠も残さず金をつくるにはこれが一番だった。
しかし、蜘蛛の糸は切れた。
イイネ!(22) PC ZefMWATJ
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