[930]  日の出和彦
01/31 08:48
『淫美の館』
                              日の出和彦・作

第1章

今朝、入浴と剃毛を済ませた。
 下着を身に着け姿見の前に立つと、自分は女であると自覚できた。
 今日の下着は、ライトグレイのブラとTバック。お尻と陰部をきつく締め付ける感触が淫らな妄想を搔き立てる。
 すらっと長い両下肢には、カルロ色のガーターフリーストッキング。艶々と滑らかなナイロンに包まれた自分の肢が気に入っている。
 (どうせ、暗闇の中で物欲しそうな男に汚されるに違いないのに、どうしてこんなに綺麗にするんだろう・・・)
 自分を自分で対評価したところで、湧き上がる淫蕩な思いが増すばかりだ。
 今日の香織は、そんな思いを抱きながらも、自分の淫靡な姿に自画自賛できていた。
 きつめのタイトミニも下着と同色に近く、トップスは勿論ブラが薄っすら透けて見えるホワイトカラー。
 (ああんッスリットからやらしい手が差し込んで来たら、それだけでイッちゃいそう!)
 香織の妄想は留まるところを知らなかった。
 
 いつもより入念にメイクを済ませた香織は、目的の場所周辺を脳裏に描き、目指す建物に身震いしながら歩を進める己れの淫欲の深さに、呆れながらも悦びを覚えていた。

イイネ!(1) PC
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