[990]  日の出和彦
02/14 10:25
淫美車両
                              作・日の出和彦
第1章
 指定された地下鉄〇〇線二番車両は比較的空いていた。
(こんなところで?)
 不安と期待の入り混じった思いで車両に肢を踏みいれた香織は、この後起こるであろう甘美なひと時に、我が身が早くも震え慄いているのを知った。
 今日の装いも彼の好みに添ったもので、香織の柔らかな躰を締め付けるかの如く絡み着いた黒のタイトミニワンピ。
 下着も勿論黒で、今時珍しい100%のナイロン生地。Tバックは香織のお尻と陰部を強烈に締め付ける極小のもので、下着に合わせたストッキングは真っ白な腿にぴったりと黒い帯が張り付いていた。
 背中と胸元が透けて見えるワンピの後ろ姿は、その趣味に長けた男なら理性をかなぐり捨ててでも(犯した!)と願うに違いない程の妖艶振りだった。
 暫くすると香織の後ろに男が近寄って来た気配を感じ、香織はより一層の期待と不安に脳を妬いた。
 後ろに立った男がタイトミニのスリットから手を伸ばして来た。
(ああッ来たわッ)
 それだけでイキそうになる自分を(なんてやらしい女!?)と責めながらも、更なる男の淫靡な行為に、昂る淫心を抑えきれない香織がそこにいた。

イイネ!(1) PC
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