[1072]  くまさん🐻
03/06 15:56
>>1070

〈メルヘンチックショートストーリー〉

くまさんの恋のライバル

 春が来て、くまさんは花を香織ちゃんにあげようと思いました。
でも、山はまだ寒くて、ふもとの近くまで行かないと花がありません。

くまさんは森を抜け、小川を越え、やがて日当たりのいい草原にでました。
そこには黄色やむらさきの可憐な花がたくさん咲いていました。

くまさんはうれしくて、いっぱい花を摘みました。
そして、町にいる香織ちゃんに向かってさけびました。

 「香織ちゃぁ〜ん、花を見つけたよぉ〜」

すると、うしろの方から

 (香織ちゃぁ〜ん、花を見つけたよぉ〜)

と、聞こえたのです。
うしろの人もくまさんと同じように、香織ちゃんに叫んでいました。
くまさんは、うしろの人に聞いてみました。

 「おぉ〜い、あなたも香織ちゃんにあげるの〜」

するとやっぱり

 (おぉ〜い、あなたも香織ちゃんにあげるの〜)

と聞いてくるではありませんか。
くまさんは答えました。

 「そうだよ〜」

うしろの人も

 (そうだよ〜)

それを聞いたくまさんは、それならうしろの人とライバルだと思いました。
でも、香織ちゃんを好きになるくらいだから、いい人だと思いました。

 「あなたはいい人ですね〜」

と聞いてみると

 (あなたはいい人ですね〜)

うしろの人も聞いてきました。

 「ありがとう〜」

お礼をいうと
うしろの人も

 (ありがとう〜)

と言ってくれたのです。
くまさんはうしろの人もいい人でよかったと思いました。

 「それじゃ、さよなら〜」

 (それじゃ、さよなら〜)

お互いがあいさつを交わすと、くまさんはまたうれしそうに花を摘み始めました。

(チャンチャン)



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